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岐阜の家

岐阜の家はオットが小学校の高学年の時に山奥から引っ越して来た家で、当時は新築ではなかったものの、まだ新しい建物だったらしい。

そこに両親と父方の祖母と二人の姉とオットの6人が住んでいた。
そんなに大きくない二階屋だから、子供が大きくなるに連れて手狭な家だったろう。

二人の姉が嫁いだあと、オットも大学を卒業して大阪で就職し、やがて祖母も亡くなり、それ以降はずっと両親だけの二人暮らし。
一昨年末まで夫婦で喫茶店(自宅とは別の場所で)をしていて、質素倹約に生きて来た家には、贅沢なもの華美なものは何一つない。

長年の間の家の不具合は大工仕事の好きな義父が自分で手を入れ暮らして来た。
それが一年前の義父の脳梗塞から、寝間を二階から一階に移し、その時に古い風呂やトイレに相当のお金を掛けて改装した。

おかげで風呂は、私でも戸惑うほどの最新設備搭載のピッカピカ。
義父にしたら思わぬ出費だったろうけど、生きてる間にお金は使わにゃと子供たちに言われ、さほど嫌がらずにお金も出したのだった。

ところが、オットいわく、両親はあまり風呂に入っていない。
義父は週に二回、ディサービスで大きな風呂に入ってくるので、冬の間は良いとしても、義母はそれもないので、いったいいつ入浴してるんだろうか。

ずっと家に居る高齢者だからといって、それでは健康にも良くないが、その最新設備搭載の浴室が、もしかしたら足を遠のかせているかもしれないと私は思う。

新しい便利なものが良いだろうというのは、若い人、娘や息子の考えであって、必ずしも親が喜んでいるわけではないと、義理の家のことなら冷静に考えられるものだ(笑)


☆久しぶりの今日のまかない

シシャモ天婦羅
胡瓜とわかめの酢の物
しめじの卵とじ
茄子のぬか漬け

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★私達が岐阜にいる間、義父はたいていテレビを眺めてるか横になり、義母は何かしらごぞごぞしている。

階下で古い書類の整理をしている時は手伝うが、二階で静かに動いている時は、私には要注意なのだ。

何か出して来る。
洋服、アクセサリー、靴…
どれも恐ろしく年代物でナフタリン臭い。

「ゆうちゃん、これ着んかね?私にはもう派手やから。」と義母がどこからか引っ張り出して来るのが、ここ数年の間の恒例行事になったのだ。

今回も私達が寝る部屋に服が二枚掛けてあった。
「そこに掛けてあるから。」と。
肩パットの入った冬用の上着と白いセーター。
黙ってそのままにして帰って来た。

義母の口癖
「買った時の値段考えたら自分では捨てられんのよ。」

そう言いながら、あちこちから何かを引っ張り出して来てはオットに捨ててくれと言う。

もう、そんなことしなくていいですよ。
一つや二つ捨てたからって一緒です。
いつかは家丸ごと粗大ゴミになるのですから。

頭の中でそう呟きながら、私は黙って義母とオットのやり取りを見ているのだった。



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by anatatoyu | 2015-05-07 12:46 | 帰省

ふつうの暮らしのふつうのご飯、日々の出来事綴ります。


by ゆう