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函館の女 前編

毎日の生活の中で、何かの拍子にふと昔のことを思い出して考え込んでしまうことがあります。


私は小中一貫校に通っていました。
小学校は2クラス、中学に上がる時に他所の小学校から1クラス分の人数が受験して入って来て中学は3クラスになります。

小6の時に仲良かったトモちゃんと、卒業式のあと大泣きをしました。
みんな同じ中学に上がる訳ですが、クラスが変わるかも知れないからです。

それぞれの能力に応じて、当然、高校、大学と別れて行くのですが、なぜか私たち同級生は同窓会好きが多くて、中三の同窓会は頻繁に行われていました。

担任が良い先生であったことも、その理由でしょう。
私も好きな先生でしたが、小6の時の担任の先生も大好きでした。

でも同窓生の顔ぶれが小学校中学校でダブっているので、中三の同窓会をしても小学校の同窓会をしないので、私は好きな先生に会えなかったのです。

50歳の時に、私が言い出しっぺで小学校の同窓会を開くことになりました。
その時、私は県外在住同窓生に連絡を取る係を買って出ました。
中学の同窓会幹事がしっかりしていたので、名簿はありましたから、探す苦労はありませんでした。


県外在住者の中に函館に住んでいるトモちゃんがいました。
トモちゃんとは高校も同じでしたが、クラスも別々でお互いに違うクラブだったりで、小学校の時のような付き合いではありませんでした。
そして高校卒業以来会うこともなく、連絡を取り合うこともなく、トモちゃんも同窓会に一度も出席しませんでした。

トモちゃんに電話をかける時はドキドキしました。
会わなくなって30年以上も経って、大人になってるトモちゃんの声はどんなだろう。
私が旧姓を名乗ればすぐにわかってくれるだろうか…とか。
トモちゃんに会いたい一心でした。

瞼に浮かぶのは色白の美人のトモちゃんでした。
彼女は小中高を通して、男子の憧れの的だったのです。


何度かのコールのあと、聞き覚えはないけれど綺麗な声の女性が出ました。
「◯◯(現在の姓)トモコさんですか?」と私が聞くと、声の主は
「そうです。」と言いました。

私はもう嬉しくって嬉しくって
「◯◯中学の同級生の…」と言いかけたところで、トモちゃんであろう人が私の声を遮りました。
…の部分は私の旧姓を言うつもりでしたが
「なぜ、ここの電話番号を知ってるの?」と彼女は強い口調で言いました。
最初の声とは違う、明らかに怒っているのです。
「あ、それは名簿にあるので…」と私が言いかけると
「名簿ってどこの名簿?」とまた強い口調。
私「◯◯中学の…」
彼女「勝手に名簿に載せないで。名簿から消してください!」
そして電話は切られてしまいました。

私は自分の名前も告げる間もなく、何が起こったのかもわからないような状態で、電話の前に立ち尽くしました。


長くなるので、一旦切ります。


☆今日のまかない
親子丼
紅白なます
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★あるお客さんの声が、別のお客さんの声にそっくりなのです。
厨房で声だけ聞いていたら、聞き分けがつかないくらい。
おまけに二人とも関東弁。
かと言って顔は似てない。

声が似てると顔の骨格が似てるとも言われるんですけどね。
いつか、その二人が一緒に居ることがあれば、お互いに相手をどう思うんだろうと、今から楽しみにしています。

どんな声かって?
一言で言うなら「押しの強い声」です。
だから似てないけど、二人とも押しの強い顔です。
はっきり言って二人とも好みのタイプではありません(笑)

by anatatoyu | 2016-01-21 15:45 | 私のこと

ふつうの暮らしのふつうのご飯、日々の出来事綴ります。


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