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母からの暑中見舞い

母の話、なかなか出て来ないでしょう?
出て来ないということは、今、特に問題はないということなのです(笑)


私から母への電話は、ほぼ週一。
ここのところ、母も私に特別な用事がないらしく、いつも短い電話で終わっている。
母からは用事がなければかかって来ない。

父が亡くなってもうすぐ二年、一人暮らしにも慣れ、精神的にも落ち着いて、娘に甘える術も少し学習したのかもしれない。

私のほうも、一時期は母を大阪に呼び寄せることで頭がいっぱいで、一生懸命部屋を片付けたりしたけど、まだその時期ではないと気付いた。

今なら冷静に考えることができるが、母の事故後は先のことなど考える余裕がなかった。
母がどのような形で退院できるか想像もつかなかったが、私は私なりに全力で母を助けるつもりだった。
私は母の人生を自分の中に取り込む勢いだった。

退院した母は、娘に迷惑をかけてはいけないという気持ちと、娘を頼りにしたい気持ちとの葛藤だったのではないかと思う。
そんな時期は、何度か母とぶつかった。
親子だから当たりはきつい。

実家で一人で食事をしている母を想像しても、胸が詰まる思いだった私は、何かと母に世話を焼き過ぎたのかもしれない。
母はそんな私に抵抗したのだと思う。

実家に何度も帰るようになってから、私は私の知らない母がいることに気付いた。
考えたら、実家に居た年月より、実家を離れた時間のほうが長いのだ。
親だから子だからといって、何もかも知り尽くしている訳がない。
むしろ、知らない部分のほうが多いのだと気付いた。

子供の分際で、親の人生を取り込もうなど、勘違いも甚だしい。
母には母の人生がある。
間違っていたのは私だと気付いた。


私と母は歩み寄ったのではなく、歩み引いたのだと思う。
近寄り過ぎれば見えないこともある。

そんな母から暑中見舞いが届いた。
事故後始めてのことと思う。
母からの暑中見舞い_b0327247_12583341.jpg


どこかからうちわを切り抜いて貼ってある。
こんな千社札も、どこで作ってもらったのだろうか。
小さな背中を丸めて書いている、母の姿が目に浮かぶ。
母からの暑中見舞い_b0327247_13043998.jpg

差出人のところに、自分一人の名前だけ書くのも慣れただろうか。
それもまた可哀相に思えてくる。



☆今日のまかない
豚冷しゃぶサラダ
揚げと大根の煮物
母からの暑中見舞い_b0327247_15385539.jpg


葉書を見たオットが
「お母さん、ぼつぼつって書いてるけど、ぼちぼちの間違いやない?」と聞く。

いいえ、私の故郷では
「ぼちぼちやりなさいよ」は
「ぼつぼつやりまいよ。」と言うのです。














by anatatoyu | 2016-07-28 15:40 | 母のこと

ふつうの暮らしのふつうのご飯、日々の出来事綴ります。


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