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筆談

何かのポイントがたまっているとかで、オットが幸子さんとの筆談のための「ブギーボード」を貰おうかと言います。

私はできれば肉声で会話したいと思うし、筆談では幸子さんの気分を害するのではないかと断りました。

幸子さんの耳がこんなに遠くなったのは、ここ最近のこと。
右耳にだけ補聴器を付けますが、それもあまり良く聞こえないらしいです。
自分の部屋では両耳にイヤホンでテレビを見てます。

私達が居る時はリビングに出てくるので、話しかけるといつも
「補聴器してないから聞こえない」と言います。
それを聞いて私は「なんでつけないの?」と怒ってしまいます。
一人暮らしの時は必要なかったのでしょうが、誰かとコミュニケーションを取ろうと思うなら補聴器は必要です。

たった一言「散歩行く?」と聞いても
「買い物?」と言います。
「さ、ん、ぽ」と言い直して「え〜っ??」と言われると、こちらは「もうっ!!」となるのです。

幸子さんも何度も聞き返すのが嫌で、理解できてないのに曖昧に返事をすることがあります。
それがたいしたことでないなら良いけど、大事なことなら困ります。

だから長文を理解して貰うのは至難の技です。
今日は、いつもより早めに家を出ることと、夕飯はおにぎりで良いか?ということを紙に書いて渡してみました。

幸子さんはしばらく読んで
「は〜い。」と言いました。
考えてみれば、筆談なら両方が何度も繰り返す必要がないのです。
私も「もう、いい!」と匙を投げることもない。
幸子さんも、私が言う事を理解できない自分を情けなく思わずに済みます。

昨日は出掛ける時に、リビングの幸子さんが座る場所に
「夜は冷える。窓開けたまま寝ない。」と書き置きをして来ました。


昔、両親が共働きだった頃、小学校から家に帰ると、勉強机の上に母の書き置きがよくあったことを思い出しました。
「学校からかへったら、宿題をすること。」と書いてあり、お小遣いの10円が乗せてありました。
「かへったら」は「帰ったら」のことで、昔の仮名遣いが年齢を物語りますね。

母は知らぬ間に、私の子供になっていたようです。

今日は幸子さんの整形外科の日。
週に一度、カルシウムの注射をします。
通院の日は、帰り道のスーパーで幸子さんの食べたいものを買うのが恒例になりつつあります。
おかげで私も楽ちんできます。
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by anatatoyu | 2017-05-27 17:00 | 母のこと

ふつうの暮らしのふつうのご飯、日々の出来事綴ります。


by ゆう