人気ブログランキング | 話題のタグを見る

うちの徳兵衛さん

徳兵衛さん(仮名)は、うちの店の保証人さん。
大阪に来て間もない頃、私がアルバイトしていたお店の常連さんだった。

私たち夫婦が商売をするのに大阪で保証人が必要で、たまたま顔見知りだった徳兵衛さんが、縁もゆかりもない私たちの保証人を買って出てくださった。
私たちにすれば大阪の父とも言えるべきお人なのだ。

徳兵衛さんは所謂資産家、市内に貸しビルが二つあり、その管理をしておられる。
息子と娘が一人ずつ、奥様は四、五年前に亡くなられた。
息子さんは県外で家庭を持つ会社員、娘さんは結婚もせず、今は仕事をしながら徳兵衛さんと暮らしている。

人間が一生のうちに知り合える人間の数は、政治家や芸能関係でもない限り、そんなに多くはないと私は思っている。
それでも商売をしてきたおかげで、いろんな人と出会いがあった。
しかしこの徳兵衛さんみたいな人とは、後にも先に出会うことがないと思う。

自分は誰のために生きているのかと、考えることがある。
でも結局は自分の為なんだろうと思う。
ところが徳兵衛さんは赤の他人の為に生きているような人なのだ。
だけど私から見る徳兵衛さんには、あまり情が感じられない。

情の表し方が下手くそなのか、たいていのことはお金で片付くと思っておられるようにお見受けする。

徳兵衛さんの周りにはお金が飛び交う。
お金の匂いに敏感な人種が集まってくる。
他人も身内も当たり前のように。
お金をもらう為に徳兵衛さんに優しくするのか、徳兵衛さんに優しい人にお金が流れるのか、今となってはわからない。

今は月に一度くらいのご来店だが、うちの店が今あるのは間違いなく徳兵衛さんのおかげ。
でも徳兵衛さんを見ていると、いったい世の中の何を信じて暮らせば良いか、何が正しくて何が間違っているか、そこらあたりが自分の中で判断できなくなってくるのだ。

とても抽象的な表現でわかりづらいと思うが、徳兵衛さんはそんな人。
そうそう、あえて言うなら住んでる世界が違うのだ。

そして一番の大きな問題は、徳兵衛さん亡き後、徳兵衛さん会社はどうなるか?
徳兵衛さんのおかげで生きてこられた人達の運命やいかに…
まあ、私が心配することじゃないけどね。


☆今日のまかない
焼そば
かぼちゃ
胡瓜と茗荷のぬか漬け
おにぎり
うちの徳兵衛さん_b0327247_1545680.jpg



★いつかここに登場した、あんみつ姫は徳兵衛さんの会社の社員さん

いろんな意味で現在徳兵衛さんに一番近い他人はこの方。
また他人なのに一番お金が流れていると思われる。

また徳兵衛さんの息子と娘は犬猿の仲。
ここが仲良く話し合いができれば、徳兵衛さん亡き後の問題は半分以上おさまるはず。

ここの話を聞くにつけ、ああ貧乏な家に生まれて良かったと小さく溜め息を吐く私。
人間は分相応に生きなければ。
by anatatoyu | 2015-06-10 15:45 | 店のこと

ふつうの暮らしのふつうのご飯、日々の出来事綴ります。


by ゆう