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函館の女 後編

トモちゃんに電話を切られたあとの私の気持ちを、どんな風に表現したらいいものか。

私が誰だかわからないまま切られたのだから、もしかしたら私だとわかれば穏やかに話を聞いてくれるかも知れない。
まあ、懐かしいわねえ、と優しい声で言ってくれるかも知れない。

彼女のその時の立場やら、そこに至るまでの出来事やら、それは私と同じようにいろいろなことがあったことは想像できる。
でも名簿から消してくれとは…
私は私の思い出からも消してくれと言われたようで、ただただショックで、もう一度電話をかけるなんて怖くてできませんでした。


後日、その時の同窓会の幹事で、地元に住んでいる女子Aさんにこのことを話しました。
Aさんは昔トモちゃんの近所に住んでいて、トモちゃんの家の内情もよく知っていました。
また同窓会名簿でトモちゃんが函館に住んでいることを知り手紙を書き、何度かやり取りをしていたことを、その時知りました。

Aさんが、小学校の同窓会の計画があって私が電話したことをトモちゃんに連絡してみると言ってくれました。

どれくらい時間が過ぎたか、Aさんからその返事がありました。

トモちゃんは小さい頃に父親を亡くし、母親とお兄さんとの三人で親戚の家に身を寄せていたこと。
その時に親戚と折り合いが悪く、幼心を痛めていたこと。
高校卒業と同時に家族で親戚の家を出て、しばらく東京に住んでいたこと。
やがてご主人になる人と知り合い函館に越したこと。
私が知っていたのは、お父さんがいないことだけでした。

さらに、トモちゃんは自分の記憶から私たちが過ごした小さな町のことを全て消し去りたいと思っていること。
そして、私のことは覚えてないと。
あんなに一緒に笑ったり泣いたりしたのに…。

どれほどの辛いことがあれば、そんなふうな気持ちになるのだろうと、考えたところでわかるはずもありません。
想像を絶するとはこのことでしょうか。


そして同窓会名簿から彼女の名前は消えました。


北海道には一度しか行ったことがありません。
新婚旅行でした。
いつか雨の日サービスで、ここに載せた私たち夫婦の写真は函館山の展望台で撮った写真でした。
25年くらい前…
あの時、トモちゃんは函館に居たのかな。
今は知る由もありません。
そして私が函館に行くことも、もうありません。

色白で美人だったけど暗い顔付きだったトモちゃんは、私の記憶からも薄れつつあります。


☆今日のまかない
鰻丼
長芋と三つ葉の甘酢
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20日の冬の丑の日に買った鰻を今日食べました。



★ここに書いている途中で、中学の修学旅行の写真の中のトモちゃんを探してみました。
九州です。
何枚かの一枚に私と隣り合わせのトモちゃんがいました。
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右側がトモちゃんです。
彼女はこんな写真ももう持ってないでしょう。
人それぞれの人生ですね。


長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。


★★今、一番好きな男性です。
経歴もプライベートも魅力的。
来世ではこんな男性と巡り会いたい(笑)
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by anatatoyu | 2016-01-22 15:40 | 私のこと

ふつうの暮らしのふつうのご飯、日々の出来事綴ります。


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