「その気」になった
2019年 02月 22日
彼女が店にやって来たのは、もう半月も前のこと。
「ゆうこさん、これ。」とバッグから一冊の本を取り出しました。
彼女とは
失礼ながら、この彼女、おおよそ本とは縁遠い人。
「読みたいって言うたやろ。」と私に言うのです。
私の方はとんと記憶にございません。
「私の前世の本やから読んでみってMさんがくれたって言うたら、ゆうこさん読みたいって言うたやん。」
そこまで言われても、私のほうは全く記憶にないのよ。
酔ってる時に言われて、私そんな返事したのかも。
「そうやったな。」
またもやいい加減な返事をしてしまいました。
そんなことだから、その本は厨房の片隅で半月ほど眠っていたのです。
今週の月曜日、実はボウズでした。
業界用語で「お客さんゼロ」のこと。
ああ、たいくつとスマホから目をあげた先に、その本があったのです。
彼女の前世?
私は前世も後世も信じちゃいない。
不思議な名前の作家さん。
関西の人らしい。
帯に書いてある文章にちょっと心が動いて、「猫は好きやわ。」とも思いました。
目次を見たらいくつかの章があり、退屈しのぎに一つ読んでみるかと思ったのです。
面白くなければ、一つでやめればいいのですから。
それは月曜日の閉店一時間前のことでした。
☆今日のお昼ご飯
ピーマンの肉詰め
じゃこおろし
★今日のお弁当
「銀の猫」
時代は江戸、主人公のお咲の仕事は「介抱人」今で言うヘルパーさん。
そんな時代からこの仕事はあったのか。
文章も軽快で面白い。
情景描写が細やかで、まるで私はドラマを観ているように引き込まれて行ったのでした。
つづく
by anatatoyu
| 2019-02-22 13:00
| 私のこと





