読了 「福袋」
2019年 05月 17日
この本は2013年から2016年にかけて、小説現代に掲載された八つの物語の短編集です。
表題の「福袋」
懇ろの女と所帯を持つために女房と離縁したい佐平。
そのためには女房が里から持たされた持参金と嫁入り道具を返さなければならない。
でも持参金はとっくに使い果たした上に、不景気で商いも傾き通し。
そこに出戻った大喰らいの佐平の姉のお壱与を、大喰い会に出させて報奨金を貰おうと思い立つ。
その大喰い会の予選は蕎麦から。
蕎麦を五十八杯食べたお壱与を含む上位六名が決勝戦に挑む。
決勝戦は餅は五十、饅頭も五十、練り羊羹は十棹、松風煎餅五十枚を一刻の間に完食した者が優勝。
(考えただけで胸が焼けます)
もちろんお壱与さんが優勝しますが、お壱与さんの胃袋が福袋だったのかなあ。
悪どい算用をしているうちに、お壱与さんはさる大名家のお毒見役に抜擢されるわ、懇ろの女は他所に嫁ぐわ、ほったらかしの店は潰れるわ、気が付けば佐平は己が空袋になっていたというオチでございまする。
☆今日のお昼ご飯
焼きそば
幸子さんの体も大きな袋みたいです。
あ、お袋さん?
そんな穏やかなイメージではありません(笑)
by anatatoyu
| 2019-05-17 13:00
| 私のこと