読了 「雲上雲下」
2019年 07月 11日
久々の朝井まかてさんの作品。
漢字は少なめ(笑)でも字が小さい。
深い山中にぽっかりと開いた草原で、草丈二丈(約六メートル)を超える名も無き草が思慮をこねているシーンから始まる。
〈わしは、枯れることのできぬ草である。幾千もの葉は常世の緑を保ちながら花を咲かせず、種を吐かず、実もつけぬ。ゆえに誰も、有難がらぬ〉。
すると、どこからか尻尾のちぎれた子狐がやって来て、「草どん」と声をかけてきた。
「遊んでおくれ」
夜になってもやかましい子狐にお話をせがまれた「草どん」は、「とんと昔の、さる昔」と口にすると、なぜだか続きがスラスラと出てくる。
「草どん」はその昔 雲上では御伽衆でした。
民草の間で語られる物語を集め、神々のお召しに応じてそれを披露するのが務めでした。
でもあちこちでもてはやされ始めてからは、本分を忘れ新しい物語を集める努力を怠りました。
そして雲の切れ目に身を投じ、草原の名も無い草になったのでした。
日本各地の民話の主人公が次々と出てきます。
民話の中には人々へのいろんな教えがありました。
その民話が語り継がれなくなったら、その主人公たちは消えてゆくのです。
子供たちが眠るとき、親や祖父母に昔話をねだった時代がありました。
今の親はぐずる子供にスマホやゲーム機を与えます。
子供たちはゲームの中で平気で動物や人を殺します。
そんなことをしたら罰があたる。
お天道様が見ている。
雲上の神様は、人の心に支えられて像を結んできたのです。
「物語こそが、雲上と雲下をつなぐものであったのに」
まかてさん、恐れ入りました。
☆今日のお昼ご飯
コロッケ
胡瓜のぬか漬け
幸子さんも私も好き
by anatatoyu
| 2019-07-11 17:00
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